おしらせ
おしらせ
作成日:2018/05/04
(ご注意ください)株取引の損失を申告すると、国民健康保険料が増える場合があります!



個人で証券会社に「特定口座」を作って、株取引を行っている方は多いと思います。

その上場株式の取引で生じた損失は、その翌年から3年間繰り越すことができるため、
確定申告を行うと、株取引で儲けが出た年度の所得と、繰り越した損失を相殺ができ、所得税の還付を受けられる場合があります。

ところで、その譲渡損失の繰越控除の申告方法によって、
市町村の国民健康保険料負担の有利・不利が生じるケースが生じる可能性があることをご存知でしょうか。

  
[ポイント]
 
・前年の株取引の損失が、当年の株取引の利益を下回る場合、上場株式等譲渡所得を申告することで所得が増加する。

・その場合、市町村の国民健康保険制度に加入している個人事業主等については、国民健康保険料額が増加する場合がある。

・それを防ぐためには、個人住民税の納税通知書の送達日(おおむね5月下旬頃)までに、地方自治体に「住民税」の確定申告書を提出する必要がある。


[解説]


1. 特定口座内取引を確定申告したほうが良い場合(原則)

源泉徴収「あり」を選択している特定口座内については、所得税と同時に、住民税が5%の税率で徴収されています。
特定口座内の税金の徴収は、原則的にはこの時点で終了しますので、特定口座の所得について申告不要とすることができます。
一方で、株取引で損失が発生した場合に、その損失を確定申告おくと、その損失を翌年以降3年間繰り越して、翌年以降3年間の株取引の利益と相殺することが可能です。
このため、株取引で損失が出た場合には、確定申告を行っておくのが基本です。


2. 株取引の損失申告と国民健康保険料への影響

特定口座内の株取引を申告不要とした場合、その損益は当年の所得金額には影響しません。
一方で、繰り越した株取引の損失を当年の株取引の利益と相殺すると、その差引額は、当年の所得金額に加算されます。

ところで、国民健康保険料は、主に個人住民税における損益通算・繰越控除後の所得金額をもとに決定されます。
このため、株取引の損失を申告して当年の利益と相殺すると、、当年の国民健康保険料の負担額に影響を及ぼす(負担が増える)可能性が生じるのです。


3. 対応策

実は、株取引を申告する、あるいは申告不要とするのは、「所得税(国)」と「住民税(地方)」で別々の申告方法を選択できます。
この制度を活用し、株取引の損失を申告することで国民健康保険料の負担が増加するようであれば、住民税については別途確定申告を行って、株取引は住民税だけ「申告不要」とするほうほうがあります。

この個人住民税の確定申告については、所得税の確定申告とは別のものです。

このため、所得税の確定申告期限の3月15日までではなく、「個人住民税の納税通知書の送達日(おおむね5月下旬頃)」までに、市区町村に対し、個人住民税の申告書を提出することになります。

ただし、自治体によっては、申告書以外の書類の提出を求めるところがありますので、住民税申告書の提出前に市区町村に問い合わせて確認することをおすすめします。


このように、株取引の確定申告は、税金だけでなく、社会保険料負担の観点からも入念に検討する必要があります。

当事務所のお客様については、お客様の所得の状況、家族構成とその所得状況、お客様が加入されている健康保険制度等を総合的に考慮して、株取引の申告方法を検討させていただいております。

ただ、この検討については税金だけでなく、社会保険の詳細な知識が必要なため、税理士事務所によってはそのような検討を行っていないところもあるようです。

多面的な資産運用をされている方で、どのような確定申告方法を行えば最もご自分の税金・社会保険負担を適正化できるか知りたいという方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

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